外断熱工法とは、コンクリート躯体の外側を断熱材ですっぽりと
包むことにより耐久性・居住性・省エネルギーに有効な工法です。
ヨーロッパでは25年の実績があり欧米に限らずメキシコ・グアム
サイパン・中国・インドネシア・シンガポールで施工されています。
日本では地震・台風・防災などに対応したEV外断熱があります。
現在日本で施工されている断熱工法の殆どは内断熱で外断熱
とのちがいの一つはコンクリート躯体が外気温あるいは室温の
どちらに同調するかです。
外断熱の場合には断熱材で覆われたコンクリート躯体はコンクリート
の大きな蓄熱性が活かされ一年を通して室温に近い安定した状態
を維持しコンクリートの温度変化は少ない。この蓄熱したコンクリート
が室温に大きく寄与しエネルギーのランニングコストが低くなります。
一方内断熱の場合にはコンクリート躯体は外気温と同調し、真夏と
真冬、朝晩の温度差をまともに受けコンクリートが膨張・収縮を繰り
返します。その結果コンクリートの劣化が進行します。
現在問題になっている結露はカビ・ダニの発生を助長してアトピーや
喘息などアレルギーの原因の一つになっています。
内断熱では室内の水蒸気が内断熱材の中を透湿する際に室温より
低いコンクリート部分に接した断熱材で露点温度になった時に水蒸
気は水に変わって結露します。また結露が発生しなくても壁の表面
湿度が80%以上の状態が3時間以上続くとカビが発生します。
従って「冬は室内の湿気が多いから結露を起こす」のではなく実際は
室内が乾燥しているにも拘わらず外壁側の温度が低く外壁内側の相
対湿度が高くなっているために結露が起こります。結露の原因は住人
の住まい方ではなくむしろ建物にあり、その建物の断熱方法の間違い
によるものです。
次に外断熱では室内の水蒸気が外側に向かって移動しようとします
が透湿抵抗の大きいコンクリートの壁があるため室内側の水蒸気は
そこで塞ぎ止められます。この時にコンクリートの温度は室内温度と
同調するために結露は起こりません。
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フィンランド
ヘルシンキ共同住宅外断熱外壁工事
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ドイツ ハンブルグ郊外
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これまでの外断熱工法は通気層が無い工法がほとんどです。EV外断
熱工法は通気層を設ける事によって、わずかながらもコンクリートを透
湿した水蒸気はほとんど透湿抵抗のない断熱材を通過して通気層か
ら外部へ排出されます。EV外断熱工法独自の部材のEVブラッケット
金物を使うことによって通気層が設け、日本独自の地震・台風に対応
した工法です。持出し(片持)バルコニーや屋外階段のヒートブリッジ
(熱橋)=熱が集中して流れる部位で断熱効果を低減して結露が発生
し強度劣化の一因にもなります。EV外断熱工法ではステンレス製金
物を使うことによって熱損失を最小にし、ヒートブリッジに対処して
います。
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外断熱壁断面アイソメ
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フィンランド
ヒートブリッジ(熱橋)を防ぐためにバルコニ
ーの床部分と建物本体を一体にしないで
外断熱材分厚さほど隙間がある。
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内断熱ではバルコニー床からヒートブリッジによって室内に結露が起こります。
外断熱ではバルコニーと建物を分離させて熱損失を最小にしています。 |
内断熱(在来断熱工法)の壁は外気温の影響を
受け 床コンクリートからヒートブリッジが起こり
結露の原因になります。
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1 快適性
静かでおだやかな室温の住環境、結露・カビ・ダニが生じない21
世紀型健康建物
2 経済性
コンクリートの蓄熱効果によって冷暖房効率が飛躍的にアップす
る省エネルギー建物。空調費のエネルギーコストが大幅に軽減
されます。
3 資産性
酷暑・酷寒・風雪・酸性雨などから保護されたコンクリートは理
論的に100年の耐久性を持ちます。日本のコンクリート建物の
建替えサイクルが30年前後(英-141年、米-103年、
仏-86年、独-79年 H8 建設白書)といわれます。
仮に100年のスパンで考えた場合に、内断熱の建物は45年目
で建替えた時、購入時3000万とするとその時点で修理費を込
めて3500万円(物価・工費が変わらないものとして)100
年でみれば2倍以上かかります。
一方EV外断熱建物の場合45年で修繕費420万円の負担
100年をこしても1250万円程度です。結露・カビのない
外断熱建物であれば室内の汚れやシミが少なく内部補修費も軽減
されます。
資産としての価値は内断熱建物より外断熱100年建物の方が
高くなります。現代のような土地が資産の対象とならない中で
建物の資産性を高める方が上記1・2のメリットもあり有効です。
4 自由性
家族構成や使用目的の変化あるいは建物に対する社会的ニーズ
の変化に柔軟に対応できる建物であることも大切なことです。
間仕切の改造や変更が容易なフリーウォール工法や逆梁工法で
適応性をもたせる工法があります。
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フィンランド
工場製作プレコン階段
ヒートブリッジ(熱橋)を防ぐために
建物本体と一体にしない。
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フィンランド
外断熱外壁設備用ダクトキャップ
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○ 住宅・集合住宅
100年以上の耐久性と健康で安全な室内環境を実現できます。
高耐久な躯体と結露・カビ・ダニの発生しない建物は長期にわた
る資産価値を持ちます。
○ 病院
内断熱では壁内結露や高湿化、カビ・ダニの発生によって患者や
病院関係者への院内感染の危険があります。24時間空調を行な
う建物として室環境を一定に保持するランニングコストを抑える
ことができます。
○ 事務所ビル
省エネルギーと快適労働環境が外断熱により実現します。
○ ホテル
厳寒期のスウェーデンのホテルは、夜8時過ぎに暖房が止まり、
翌朝6時頃暖房が入りますが、外断熱によって夜間の温度は
1〜2度しか下がりません。
○ 倉庫・工場
厳しい温湿度管理が必要とされる食品関係など、外断熱は省エネ
で安定した環境を維持します。
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○完成物件 (2000〜2001.8.30時点)
徳山市・・・エムイー山口共楽園1期・2期
日野市・・・きなりの家
札幌市・・・センティアム宮の森マンション
札幌市・・・大友邸
葛飾区・・・サンエービルド社屋
横浜市・・・石井邸
上記以前に住宅3棟、事務所4棟、メディシンビル(医院ビル)
○着工物件
港区・・・・・渡辺ビル
吉祥寺・・・K邸
調布市・・・Tマンション
世田谷区・・東玉川1丁目マンション
札幌市・・・N書店
札幌市・・・T大学新築工事
熊本・・・・・Y邸
○計画物件
大阪・名古屋・長野・横浜・東京・茨城・北海道と全国で展開中
です。現在18件が検討中で内2件は実施設計中です。
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○「日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク」
(TBSブリタニカ) ベストセラー中
著者の江本央氏はEV外断熱工法の主宰者です。
このHP以上に細部にわたって書いてあります。
○EV外断熱工法特集
日経アーキテクチュア(日経BP社)
2001.7.23号 P96より掲載
建築施工単価(経済調査会)
2001/夏号 前文P16より掲載
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札幌のセンティアム宮の森の一室に事前の予約が必要ですが、体験
宿泊ができます。キッチンの調理はできませんが3LDKで入浴も可能
です。私も3月に御検討中のオーナー様と宿泊しました。まだ歩道に
残雪が残っていましたが、お互いの感想も、室内の暖かさがやわら
かくて室内部の音も静かで、快適さを感じました。
連絡先; 鞄本省エネ建築物理総研 TEL011-640-3560
2001.7.20に竣工した葛飾区のサンエービルド様社屋で見学
会催されました。初夏の外気温は35℃
見学者の感想
○夏も外断熱は快適なことがわかった。
○夏の断熱効果を体験できた。
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