現況報告


外断熱工法

外断熱工法は、コンクリート躯体の外側を断熱材ですっぽりと包む
ことにより耐久性・居住性・省エネルギーに有効な工法です。
ヨーロッパでは25年の実績があり欧米に限らずメキシコ・グアム
サイパン・中国・インドネシア・シンガポールで施工されています。
日本では地震・台風・防災などに対応したEV外断熱があります。

現在日本で施工されている断熱工法の殆どは内断熱で外断熱
とのちがいの一つはコンクリート躯体が外気温あるいは室温の
どちらに同調するかです。
外断熱の場合には断熱材で覆われたコンクリート躯体はコンクリート
の大きな蓄熱性が活かされ一年を通して室温に近い安定した状態
を維持しコンクリートの温度変化は少ない。この蓄熱したコンクリート
が室温に大きく寄与しエネルギーのランニングコストを抑えます。

一方内断熱の場合にはコンクリート躯体は外気温と同調し、真夏と
真冬、朝晩の温度差をまともに受けコンクリートが膨張・収縮を繰り
返します。その結果コンクリートの劣化が進行します。

現在問題になっている結露はカビ・ダニの発生を助長してアトピーや
喘息などアレルギーの原因の一つになっています。
内断熱では室内の水蒸気が内断熱材の中を透湿する際に室温より
低いコンクリート部分に接した断熱材で露点温度になった時に水蒸
気は水に変わって結露します。また結露が発生しなくても壁の表面
湿度が80%以上の状態が3時間以上続くとカビが発生します。
従って「冬は室内の湿気が多いから結露を起こす」のではなく実際は
室内が乾燥しているにも拘わらず外壁側の温度が低く外壁内側の相
対湿度が高くなっているために結露が起こります。結露の原因は住人
の住まい方ではなくむしろ建物にあり、その建物の断熱方法の間違い
によるものです。
次に外断熱では室内の水蒸気が外側に向かって移動しようとします
が透湿抵抗の大きいコンクリートの壁があるため室内側の水蒸気は
そこで塞ぎ止められます。この時にコンクリートの温度は室内温度と
同調するために結露は起こりません。


フィンランド外断熱施工例

フィンランド 
ヘルシンキ共同住宅外断熱外壁工事



ドイツ外断熱施工例

ドイツ ハンブルグ郊外





EV外断熱工法

これまでの外断熱工法は通気層が無い工法がほとんどです。EV外断
熱工法は通気層を設ける事によって、わずかながらもコンクリートを透
湿した水蒸気はほとんど透湿抵抗のない断熱材を通過して通気層から
外部へ排出されます。EV外断熱工法独自の部材のEVブラッケット金物
を使うことによって通気層を設け、日本独自の地震・台風に対応した
工法です。多くの外断熱工法は持出し(片持)バルコニーや屋外階段
のヒートブリッジ(熱橋=熱が集中して流れる部位)で断熱効果が低下
して結露が発生し強度劣化の一因にもなります。EV外断熱工法では
ステンレス製金物を使うことによって熱損失を最小にし、ヒートブリッジ
に対処しています。

外断熱壁アイソメ
外断熱壁断面アイソメ


外断熱バルコニー

フィンランド
ヒートブリッジ(熱橋)を防ぐためにバルコニ
ーの床部分と建物本体を一体にしないで
外断熱材分厚さほど隙間がある。

外・内断熱バルコニー

      
  内断熱ではバルコニー床からヒートブリッジによって室内に結露が起こります。
  外断熱ではバルコニーと建物を分離させて熱損失を最小にしています。
外断熱断面図内断熱断面図

                     内断熱(在来断熱工法)の壁は外気温の影響を
                                                 受け 床コンクリートからヒートブリッジが起こり
                                                 結露の原因になります。





EV工法2 030403

RC(鉄筋コンクリート)造の外断熱工法は大きく分類して2種類あります。
2つの違いは通気層の有無です。

通気層のない工法は外断熱材に直接外装材を貼る(塗る)工法です。
室内からの水蒸気を透湿する材料で仕上げますが、寒気の厳しい
地域では断熱材外部に結露した水分が凍結して外装材剥落の例も
あります。外装材の種類が限られますが価格が通気工法に比べて
安価です。

通気層のある通気工法は、外装材の保持方法に2種類あります。

2重壁方式は室内側から
コンクリート+外断熱材+通気層+組積造(自立する壁)+外装材
組積造の場合は階数も中・低層になります。

金物で保持する方式(EV外断熱工法)は室内側から
コンクリート+外断熱材+通気層+保持金物+外装材
外装材もタイル・石・金属板等に対応可能です。高層マンションにも
施工されています。

EV外断熱工法では性能を改良し施工単価ダウンする為に仕様を変更・
改善しています。当初の仕様部材を鉄製からステンレス材に変更、
コンクリートからの金物へのアンカー(保持材)間隔も外装材によって
変えています。アンカー材も熱影響が少なくなるように断面積の小さい
部材で設計されています。通気層も大きいと渦流ができ、小さすぎると
機能を果たさなくなり、適度の間隔を保持するための器具も使用します。





ニュース  070524 

New
環境・省エネセミナー

■テーマ :  
     1.外断熱建物の環境性能・・・・最近のデータから
      ・乾式および密着式湿式外断熱建物それぞれの特徴的な
       外観と、省エネルギー性能、室内温熱環境、外皮の熱・湿気
       性能等の環境性能について、最近の観測データを交えて
       その特徴と取り扱いの留意点を解説する。
 
      ・乾式通気層工法で外断熱された妻壁の熱・湿気性状、EIFS
       外装を持つ集合住宅での居住時の室内温・湿気変動に関する
       長期観測データ。
 
      ・内断熱および外断熱集合住宅での建物全体でのエネルギー
       消費量の比較などの結果紹介。

     2.中国の外断熱建築の実情
       今年3月に上海を訪問し、外断熱を採用したエコロジー住宅団地
       『碧林湾』や上海市で初めてのエコロジーオフィス『建科生態楼』
       等の視察内容を紹介する。

     3.その他関連のフリートーク

■主  催 : NPO法人外断熱推進会議関西支部
■講  師 : 京都工芸繊維大学大学院 芝池秀樹先生
■日  時 : 2007年 6月 9日 (木)  14:00〜16:00
■場  所 : 大阪府私学教育文化会館
         大阪市都島区網島町6−20 TEL 06-6352-3751
■申  込 : NPO外断熱推進会議 関西支部
     FAXまたはE-mailにて、氏名,所属先,住所,電話番号,E−アドレス
     を明記の上  FAX: 072-986-0433
     E-Mail: yuko.okazaki@tuzuki.com
■費  用 : 一般 : 1,500円  学生 : 500円
■人  数 : 先着 100名
■締  切 : 6月5日















070109

2007年度EiPC外断熱全国キャラバン
「外断熱」大阪セミナー開催(無料)
つながっている、住まいと地球環境−外断熱による省エネライフ−

第1部
特別講演:高村ゆかり氏 龍谷大学法学部教授
「地球温暖化と私たちの暮らし」

講演:芝池英樹氏 京都工芸繊維大学 大学院助教授
「外断熱のメリット・デメリット」

第2部
パネルディスカッション・質疑応答

◇ パネリスト ◇
龍谷大学教授 高村ゆかり様
神戸の外断熱マンション 居住者様
京都の外断熱マンション 居住者様
堺の老人向け外断熱マンション企画運営 NPO法人みおつくしの会理事
                           織田信一様
外断熱医院・住宅居住者 内科クリニック院長様(予定)
信和住宅販売株式会社 代表取締役社長 青山一様

パネリストサポート
京都工芸繊維大学 大学院助教授 造形科学域 芝池英樹様
EIFS協会(EIMA)専務理事 ステファン・クレムキー様
北京ドライビット化学建築材料社 総支配人 ロジャー・ピーブラー様・
ほか参加者外断熱物件設計者

◇ 総合司会◇
キャスター 横田幸子様

■主催/非営利活動法人 外断熱推進会議  ■共催/外断熱懇話会
■後援/独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構 
 環境省近畿地方環境事務所(予)
 (社)大阪府建築士会(予) (社)日本建築家協会近畿支部(予) 
 (社)大阪建築士事務所協会(予)

□ 開催日時 2月2日(金)午後1時開会〜午後4時30分ごろまで
場所   グランキューブ大阪(大阪国際会議場)
シャトルバスが、「リーガロイヤルホテル」(当会議場東隣)JR「大阪駅」
西側(高架下)、地下鉄・京阪「淀屋橋駅」(西詰)の間で運行中、利用可。

□セミナー参加御希望の方は、別紙参加申込書(FAX)か、お電話または
外断熱推進会議ホームページよりお問い合わせください。
NPO法人外断熱推進会議 URL; http://www.sotodan-npo.org/
※Tel 03-3436-4755  Fax 03-3436-0678













061114

先月 京都でNPO外断熱会の学習会が開催されました。
東京都江東区に建設された鉄筋コンクリート外断熱賃貸マンションに
おける1年間の熱・湿気性状、通気層の状態に関する報告をメーカーの
(株)ツヅキ 岡田様が発表されました。

建物概要
鉄筋コンクリート造6階建てワンルームマンション 
基準階平面 中廊下 南面4戸+北面4戸

断熱仕様 
外壁 
 東西面(無開口)通気層式外断熱工法 グラスウールt=125mm
 南北面 湿式密着外断熱工法 EPS断熱ボードt=60mm
開口部 
 樹脂サッシ LowEガラス
ベランダ 
 コンクリート下 ロクセルボードt=30 外壁より600mm部分
 コンクリート上 フェノールフォームt=30 外壁より600mm部分

測定室は4階北東の角部屋で東面が通気層工法、北面が湿式密着工法
測定センサー設置位置 
 外装材+通気層+断熱材(通気層面+内部)+壁コンクリート
(内外部表面+内部@50mm3ヶ所)+ 内装仕上材
 床下梁部分 縦方向に@50mm8ヶ所で@50mm2列+梁内部+内壁面
 ベランダ床コンクリート 外壁より150mmの上下コンクリート面
150ヶ所に温度・湿度・風速等の測定センサーを設置。
1分ピッチで終日記録保存。

○測定結果
・通年 室温とコンクリート壁の温度はほぼ同調している。
・コンクリート壁が室温設定温度に同調するまでの期間
 暖房開始時より・・1.5日 冷房開始時より・・4〜5日
・結露は生じない。夏季に18℃で冷房しない限り窓を開放しても無結露。
・ベランダ床の熱橋の伝熱計算ソフトによる解析と実測結果の比較では
 開口部サッシの断熱弱点が反映されている。
・コンクリート壁内の絶対湿度はコンクリート温度に連動する。
・通気層は0.2〜0.8m/sで夜間でも上昇気流が生じている。
・東面外装面温度が 夏75℃ 冬60℃くらいに上昇する。

○机上の理論と実測値の違い
・外断熱工法では 室温の空調立上げ時間が必要と思われているが
 内断熱とかわらない。
・夏季に夏型結露が発生することがあります。発生するのは1,2時間位で
 蒸散し問題となりません。今年の夏は(8/16・17・18)特に高温高湿度が
 終日続き夏型結露が連続しました。現在この結露によって断熱性能の
 低下は起っていません。
・通気層でのカビの発生が懸念されるとの指摘があります。
 カビの発生要因として有機素材・酸素(空気)・温度(10〜35℃)・湿度
 (70%以上)があげられます。カビ抑止のために温度・湿度の制御と
 通風を良くして微風を流して 胞子を固着させない対処方法があり
 通気層の微弱な風速が有効になってきます。

○留意点
・常時 人が住んでないので人体からの発熱・発汗・炊事・入浴等の
 実生活はなく 建物本体の測定値です。
・外壁が少ない。ワンルームで間口が狭く中央に窓・右側に構造柱・
 左にパイプシャフト囲いがあり 実測はパイプシャフト部分の壁を
 切り取って対流に少々難ありでした。
・北向きの部屋で 窓はカーテンで締切ったままです。日射の影響を
 南面ほど受けない。

○実測値を知ることによって意外な結果もわかりました。問題点も
 提起され これからの外断熱工法の検討課題・改良点がみえて
 (株)ツヅキ様の長期測定が貴重な資料になります。















061004
外断熱学習会
■テーマ : 鉄筋コンクリート造マンションにおける1年間の熱・湿気性状、
 通気層の状態に関する
■講  師 : 京都工芸繊維大学  芝池英樹博士
         (株)ツヅキ一級建築士事務所 廣口征男所長
■日  時 : 2006年 10月 20日 (金)  16:00〜18:00
■場  所 : 京都市右京区嵯峨天龍寺角倉町9
         花のいえ(国立学校共済組合嵐山保養所)
         集会室 コスモス
■申  込 : FAXにて申込み用紙取寄せ
          FAX  03-3436-0678  NPO外断熱推進協議会宛
         『10/20 外断熱学習会』
■費  用 : 資料代 1000円
■人  数 : 若干名














060620
現場見学会
■外断熱工法見学会
 壁式鉄筋コンクリート造共同住宅
 外断熱工法施工・・・乾式・湿式両工法併用
■主  催 : NPO外断熱推進協議会
■日  時 : 2006年 7月 9日 (日)  13:00〜15:30
■場  所 : 大阪府堺市中区
■申  込 : FAXにて申込み用紙取寄せ
          FAX  0729-86-0433  NPO外断熱推進協議会関西支部 
         『7/9 外断熱工法見学会』
■費  用 : 資料代 1000円
■人  数 : 若干名














051210

■省エネ住宅フェア ひょうご
■主   催 : 財団法人 ひょうご環境創造協会
■開催日時 : 平成17年12月17日(土)・18日(日)
          10:00〜17:00
■開催会場 : 神戸ハーバーランド・スペースシアター
         (ハーバーランドビーズキス前広場)
 ・電車 JR神戸駅・地下鉄ハーバーランド駅 徒歩5分
      高速神戸駅 徒歩8分
■出展企業・団体 
        兵庫県地球温暖化防止活動推進センター
        NPO法人 外断熱推進会議
        NPO法人 日本健康住宅協会
        等 20企業・団体












050221

■講演タイトル
「外断熱通気層バージョン 大阪セミナー」
■主   催:外断熱懇話会
■後   援:環境・省エネ外断熱工法推進議員連盟
■開催日時:平成17年3月17日(木) 
        13時開場 13時30分開会 17時30分閉会
■開催会場:大阪厚生年金会館(ウエルシティ大阪)7階
        大阪市西区新町1-14-15 TEL06-6582-6301
■参加費用:無料
        定員100名、定員オーバー時は事務局より連絡
■参加受付:外断熱懇話会事務局支部 FAX011-640-3555
        住所・氏名・TEL・FAX・E-mail・勤務先をFAX
        申込締切 3月10日

■講   演
講演1:「外断熱事業のマーケティング戦略と市町村へのプレゼン」
    (有)インフォメーション・システムキャビン
    代表取締役 志田 真郷

講演2:「関西における断熱の意味と今後の流れ」
    近畿大学 理工学部建築学科 助教授
    岩前 篤 博士

パネルディスカッション:
パネラー
    井上 和雄 衆議院議員
    志田 真郷
    岩前  篤
    青山 一  信和住宅販売(株)代表取締役
    土井 貞寛 外断熱マンションオーナー
    江本 弥寸郎 (株)日本省エネ建築物理総研代表取締役
    門脇  メ   (株)マグ代表取締役会長







050206

●ハンス・エーク 京都セミナー●
「地球環境と無暖房住宅〜エネルギーを使わない暮らし」

■講演タイトル
「地球環境と無暖房住宅〜エネルギーを使わない暮らし」
■主   催:特定非営利活動法人 外断熱推進会議
■開催日時:平成17年2月27日(日) 13時開場 13時30分開会
■開催会場:〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る
        キャンパスプラザ京都(JR京都駅ビル駐車場西側)
■参加費用:無料(定員298名、先着順受付)
■参加受付
NPO法人 外断熱推進会議内 ハンス・エーク講演会係
〒105-0011 港区芝公園3丁目5番8号 機械振興会館407
TEL 03-3436-4755   FAX 03-3436-0678
URL http://www.sotodan-npo.org
E-mail info@sotodan-npo.org

■講師・講演時間(京都案)
講演1:友子 ハンソン(作家 スウェーデン在住)
     「住を大切にすること〜スウェーデン人の考え方」
講演2:堀内 正純(NPO 外断熱推進会議事務局長)
     「地球環境と外断熱」
   休 憩
講演3:ハンス・エーク
    (建築家 イエテボリ2050プロジェクトコーディネーター)
    「地球環境と無暖房住宅〜エネルギーを使わない暮らし」
   休 憩
パネルディスカッションと会場からの質疑
司  会 山岡淳一郎 ノンフィクション作家
パネリスト ハンス・エーク(通訳:友子ハンソン)
       芝池 英樹 京都工芸繊維大学助教授 工学博士
       堀内 正純 外断熱推進会議事務局長
       未 定

◎Hans Gustaf Eek(ハンス・グスタフ・エーク)
1967年イエテボリ大学理論物理学部、1974年チャルマシュ工科
大学建築設計学部修士課程を卒業。工学修士と建築設計家(SAR)。
1999年度から“イエテボリ2050”のコーデイネーター。
その活動を評価され、2003年度イエテボリ国際環境賞を受賞。
『イエテボリ2050』は暖房や各種サービス、交通、そして工業生産に
至るまで、全ての分野で福祉や生活の質を落とす事なく、1人当たり
のエネルギー消費を半減させるテクノロジーを追求する運動です。









050128

1/23に外断熱セミナーに行ってきました。約30年スウェーデン在住の
フォトジャーナリスト・大学教授の講演と外断熱マンション居住者を
含めたパネルディスカッションが行われました。

・フォトジャーナリスト武藤聖一氏
『北欧の住宅事情と外断熱は理想的住宅の第一歩』

ベーシックとして二六時中の『暖かさ』があげられ、日本家屋の寒さ
や朝夕の冷えこみ時の間欠暖房に比べ『豊かさ』を感じる。集合住宅
には近辺のゴミ焼却場等プラントの廃熱利用の高温水が供給センター
より配管するのが標準になっている。省エネをトータルで考え建物は
外断熱工法で施工されている。

25%の世界一高い消費税、給与の40%が税金、ボーナス・退職金制度
が無く、プライベートで使えるお金は少ない。お金を掛けるのは『家』
『バカンス』『車』で『衣・食』にはお金を掛けない。『家』は一度
に全てをそろえず、自分達に合うインテリア・家具を何代にわたって
整備する。『バカンス』は年間4週間きっちりと取り、スマトラ沖地震
では最大の観光被害者数になる。冬の日照時間の少なさが鬱病を増え
自殺者も出ますが、日本のようにお金が原因で自殺する人はいない。

英国人の友人が「豊かな日本が住宅に関しては質の低い家に居住する
のが不思議」と言われ、帰国時に『住環境』の貧しさを電柱・看板の
乱立や、寒い室温の家で感じる。

週休二日制が民間企業・役所・学校に一斉に広がったように外断熱も
認知され徐々に建設する傾向になると全国的に広がるでしょう。

・京都工芸繊維大学助教授 芝池英樹氏
『外断熱マンションの温熱環境調査報告』

外断熱工法の特徴である高断熱+コンクリートによる熱容積の効果は
集合住宅で顕著にあらわれる。西日本の蒸暑地域の防湿時・中間期の
間欠局所冷暖房の工夫が必要になる。研究項目として定常・・断熱性や
一部不明の非定常・・畜熱性・室温安定性などがある。

関東以北では外断熱工法が少しずつ普及してきているが、関西以西は
平均断熱材厚さ21mmの内断熱工法が多い。関西地域でも公共建物の
外断熱改修で激しい結露現象を食い止めるため採用する地域もある。

外断熱工法は夏季の夜間ヒートアイランド現象の緩和に役立つ。昼間
内断熱工法では熱せられたコンクリートの畜熱が夜間に放射される。
外断熱では夜間の空調の稼動も少しは減少する。

『暖かさ』という快適さの表現にバロメーターが無い。家電製品や
コンピューター・車などには性能・価格の標準があるが、住宅・間取
には経年・運用時の性能がなく、総合的な判断に委ねられる。

・分譲外断熱マンション(関東)に2、3年居住している二組の夫婦

冬場の温度が気にならない。暖かさの質が違う。エアコン暖房だと
部分的な暖かさだが、外断熱では屋内全体が暖かく、便所・浴室も
一様である。室温が変動しないので、体が暖かさに包まれる感じが
する。欠点として台所の野菜類は冷蔵庫におさめなければならない。
湿度が低くなり、加湿器や風呂扉の開け放しをしている。

夏は居住者の人熱や家電製品の熱、去年の記録的な暑さでクーラーを
使用。夜間のみ27℃位に設定して運転し、昼間40℃近くの猛暑の時に
29℃位の室温まで下げるため使用。
暖房は朝一時間くらいつけると室温が23℃になり止める。通常の生活
を19℃で過ごすのであれば空調は不要。

室温が安定しているので室外温度計が必要。←フィンランドの住宅で
窓から外気温がわかるよう温度計が置いてあるスライドを見ての感想

通行量の多い道路に面しているが室内は静粛。

内廊下(共用)に湿気がこもった。2年目に解消。←設計時に無換気扇

外断熱工法ということで1,2割販売価格が高いと言われるが、隣の大手
デベロッパーマンションと変わらない。大手のネームバリュ−をとるか
居住性能をとるか、実質的な価値をとって外断熱マンションの高値感は
ない。










・040901

□NPO外断熱推進会議 関西支部定例会

日時;9月14日(火) 16:00
場所;株式会社 ツヅキ
   東大阪市西石切町5−1−42 TEL 0729−86−0432

講師 東邦レオ株式会社 外断熱事業部主任 西川岳志様

1.欧米先進国が外断熱である3つの理由
2.欧州の省エネルギー建築 手法と事例
3.外断熱 よくあるご質問
4.日本の外断熱工法 3つの区分

京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科助教授 芝池英樹博士が
列席されます。

参加ご希望の方は岡崎様までメールにて申込ください。


□賃貸住宅フェア−2004in大阪
 賃貸経営セミナー・建築技術展

日時;9月17(金)・18日(土) 10:00〜17:00(両日共)
場所;インテックス大阪 6B号館

講師 株式会社 日本省エネ建築物理総研 浜田 康司様
 9月17日 実践セミナー G 会場  11:40〜12:40
 9月18日 経営セミナー D 会場  15:50〜16:40

外断熱乾式通気工法の実物模型等のブース展示が行われます。
出展企業・セミナープログラム記載のリーフレットをお送り致します。
ご希望の方はメールにて申込ください。









040505

●フラウンホーファー建築物理研究所・京都セミナー●
「サスティナブル・ジャパン〜地球環境と私たちの生活」

主 催:特定非営利活動法人 外断熱推進会議
    :フラウンホーファー 日本代表部
    :フラウンホーファー建築物理研究所
後 援:ドイツ大使館(社)日本建築学会(社)空気調和・衛生工学会
    (社)日本家政学会(社)日本建築士会連合会

開催日時:平成16年07月02日(金)
       13時開場 13時30分開会 17時30分閉会

開催会場:キャンパスプラザ京都  定員 298人
       〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る
       TEL.(075)353-9120・FAX.(075)353-9121

参加費用:無料<先着順 298名様>

講演内容:平成16年07月02日(金) 
主催者挨拶  フラウンホーファー 日本代表部
         Dr.ロレンツ・グランラート
 基調講演  「サスティナブル・ビルディング〜地球環境と外断熱」
         田中辰明博士
 講演 1   「建築物理とわたしたちの生活」
         ゼドルバウアー所長
 講演 2   「建築物理とサスティナブル・ビルディング」 
         キュンツェル博士
 休  憩   10分

 講演 3   「関西の外断熱事情」
         芝池英樹博士

パネルディスカッション 
      「サスティナブル・ジャパン〜地球環境と私たちの生活」

司   会 堀内正純
       (特定非営利活動法人 外断熱推進会議 事務局長)

パネリスト 田中辰明
       (お茶の水女子大学生活科学部教授 工学博士)
       K.ゼドルバウアー
       (独・フラウンホーファー建築物理研究所・所長)
       H.キュンツェル
       (独・フラウンホーファー建築物理研究所)
       芝池英樹
  (京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科助教授 工学博士)
  
閉  会

申込先:特定非営利活動法人 外断熱推進会議HP









040224

2/22の朝日新聞の家庭欄に「外断熱に熱い視線」というタイトルの
記事が載っていました。東京で「外断熱マンションフォーラム」が1月
に開催され、外断熱マンションの入居者がパネリストとして発表して
います。

・空間として快適・・・冬場でもエアコンは必要でなく、パネルヒーター
をたまにつける程度で、18度を割り込むことがない。
・結露は生じない
・24時間換気で、昨夏(注・・冷夏)は扇風機で間に合った。
・除湿冷房で直ぐに涼しくなり、しばらく涼しい。稼働時間が短くなる。
・外の音が気にならない。
・修繕や建替えの費用や光熱費を考えれば、高いと思わない。

川崎市の賃貸マンション家賃は、相場よりも3割高いが11戸全部に
入居しています。ドイツでの生活から室内環境の良い外断熱工法を
採用し建設費は2割高くなったが「建物は資産ですから、100年持てば
2,3代にわたって使えます」。

公営住宅にも外断熱工法の認識が増加し、工事費が高くても採用され
つつあります。
◎外断熱工法にて建設
・新潟県長岡市営住宅
・石川県金沢市郊外「大桑団地」
・兵庫県豊岡市営住宅

◎外断熱改修
・和歌山県高野町「凌雲団地」
・徳島県営住宅

2/20に大阪で『外断熱実践セミナー』 が開催されました。135名の
参加者で、追加で翌日も行われました。
環境建築コンサルタント・大学の助教授・断熱材メーカー・居住者の
方々がパネリストになり、概論、外国の現状、研究経過、住み心地の
発表があり質問も多く出て活発なセミナーでした。

印象に残った質問
・外断熱マンションの欠点・・快適過ぎて、外に出るのがおっくうになる
・どの外断熱工法が最適か・・現場の状況や予算によってケースバイ
ケースで選択する。ドイツの外断熱研究所で、通気層のある方式は
『外断熱工法のベンツ』と言われたそうです。





広報活動 030716

当HPでは外断熱工法を皆様に知っていただくと共に現場施工物件
の見学会も行う予定です。外断熱工法のメーカーも住宅フェアーの
催事に出展したり、HPにて頒布活動をしています。また外断熱の
分譲・賃貸のマンション事業者も入居体験や見学展示会を行って
います。

特定非営利活動法人外断熱推進会議(NPO外断熱推進会議)が
各地で外断熱の講演会・勉強会を行っています。建築学会・日本
建築家協会・建築事務所協会・建築士会・建設業協会等の団体や
行政機関・住宅金融公庫と協賛して講演会を催しています。

外断熱工法を採用した建物に対して国会に於いて長耐久・無結露
による対シックハウス等の利点による立法措置を働きかけ、住宅
金融公庫等の優遇対応を審議しています。

又朝日・読売新聞、週刊朝日等に取り上げられ全国的な活動を行って
います。現在NPO法人に向けて手続き中で、会員には建築関係者は
勿論ですが、弁護士・マスコミ・ジャーナリスト・医療関係者・外断熱の
建物オーナー・生活者が参加しています。






無結露保証 030708

通気層付外断熱工法は外部から外装材+通気層+断熱材+コンクリ
ート+内部仕上としてコンクリート打放し・クロス張・ペイント塗り・
塗壁等でコンクリートからの内装仕上厚さが薄くなります。
内断熱工法では外装材+コンクリート+内部断熱材+ボード張+内装
仕上となり壁コンクリートからの仕上寸法が厚くなります。

コンクリートの壁芯で算定する建築基準法上の法定床面積が同じで
あれば室内有効面積は外断熱工法のほうが広くなります。

床暖房はマイルドな暖房と好評ですが外断熱工法ではコンクリートが
蓄熱体となり、床暖房方式では制御が難しくあまり推奨できません。
壁コンクリートからも床と同様に輻射するのでやわらかな室環境に
なります。間欠運転・低稼働で冷暖房費の低減にもなります。

EV外断熱工法では設計時のアドバイス・チェックにより施工された
建物に対して「無結露保証」を発行しています。納まり不具合部分や
不良施工部分がウィークポイントになりヒートブリッジ(熱橋=熱移動)
が起り満足な性能になりません。発行に際して設計図書(図面)の検討・
現場監理を丹念に行なっています。






通気層

通気層の役目として冬季に室内からコンクリート→断熱材を透過した
水蒸気処理として働きます。温暖地域では夏型結露が起こる可能性が
あります。例えば外気温32℃相対湿度70%、冷房室内26℃相対湿度
50%の時に断熱材部分で2〜3時間/日くらい結露が起き易くなります。
しかしコンクリートの吸湿によってすぐには結露現象は起きません。
コンクリート面と外断熱材間に結露が起きても繊維系断熱材を使うこと
と通気層によって乾燥状態にすることができます。
また密着仕上に比べて、通気層が外気の上昇排熱に働いて壁面の温度
蓄熱をやわらげます。





メリット

1 快適性
  静かでおだやかな室温の住環境、結露・カビ・ダニが生じない21
  世紀型健康建物

2 経済性
  コンクリートの蓄熱効果によって冷暖房効率が飛躍的にアップす
  る省エネルギー建物。空調費のエネルギーコストが大幅に軽減
  されます。

3 資産性
  酷暑・酷寒・風雪・酸性雨などから保護されたコンクリートは理
  論的に100年の耐久性を持ちます。日本のコンクリート建物の
  建替えサイクルが30年前後(英-141年、米-103年、
  仏-86年、独-79年 H8 建設白書)といわれます。

  仮に100年のスパンで考えた場合に、内断熱の建物は45年目
  で建替えた時、購入時3000万とするとその時点で修理費を込
  めて3500万円(物価・工費が変わらないものとして)100
  年でみれば2倍以上かかります。
  一方EV外断熱建物の場合45年で修繕費420万円の負担
  100年をこしても1250万円程度です。結露・カビのない
  外断熱建物であれば室内の汚れやシミが少なく内部補修費も軽減
  されます。

  資産としての価値は内断熱建物より外断熱100年建物の方が
  高くなります。現代のような土地が資産の対象とならない中で
  建物の資産性を高める方が上記1・2のメリットもあり有効です。

4 自由性
  家族構成や使用目的の変化あるいは建物に対する社会的ニーズ
     の変化に柔軟に対応できる建物であることも大切なことです。
  間仕切の改造や変更が容易なフリーウォール工法や逆梁工法で
  適応性をもたせる方法もあります。

プレコン階段

フィンランド
工場製作プレコン階段
ヒートブリッジ(熱橋)を防ぐために
建物本体と一体にしない。

外断熱設備ベントキャップ

フィンランド
外断熱外壁設備用ダクトキャップ







長・短所

◇外断熱の長所◇
 
 ○省エネ・・コンクリートの蓄熱性を利用して空調費が低減できる。
 
 ○長耐久・・コンクリートが外気の影響を受けないので膨張収縮が
  少なくなり劣化防止になる。
 
 ○快適性・・蓄熱したコンクリートのふく射熱でやさしい室環境
 
 ○健康・・・結露が生じにくいのでカビ・ダニが発生しにくい。
 
 ○長期コスト・・100年単位では修繕のみ内断熱に比べてコスト安
 
 ○適度な加湿・・内断熱では結露防止のために換気・除湿をすると
  室内が乾燥しすぎます。いっぽう外断熱では結露の心配が少ない
  ので加湿が可能です。ピアノやギターなどの楽器や毛皮は50%位
  の湿度が望ましく、インフルエンザ・ウィルスも乾燥状態よりも
  ある程度の湿度があるほうが少なくなるようです。
 
 ○静粛性・・今までの内断熱建物に比べて外部の音が小さくなった
  という報告があります。
 
 ○収納方法・・結露防止のために家具を壁から離さなくてもよく、
  押入にスノコを置く必要がありません。

◇外断熱の短所◇
 
 ○建設費・・内断熱より1〜2割UPする。通気層のある外断熱工法
  は取付け金物、厚い断熱材、外壁仕上材の取付けがコストアップ
  となる。
 
 ○意匠性・・複雑な形は不可能ではないが下地金物の取付け等が割高
  になり同一壁面仕上でのっぺりした表情の建物が多い。
 
 ○施工性・・高気密にする為に開口サッシに充填材を入れたり、
  屋上や外壁面の上・下端部など詳細に検討した納まりどおりの施工
  は難度は高い。
 
 ○生活様式・・コンクリートの蓄熱には時間がかかり断続的な
  空調機の使用方法では効果が少ない。連続空調運転が理想的で
  コンクリートが蓄熱すると低いエネルギーで済む。

◇内断熱の長所◇
 
 ○建設費・・現在のほとんどの建物が内断熱で外断熱に比べると廉価
 
 ○意匠性
       ・・複雑な形状に対してコンクリート外部が外装仕上材だけで
 ○施工性  容易
 
 ○空調効果・・運転後すぐに反応

◇内断熱の短所◇

 ○省エネ・・空調休止後は直に変動し、定温の保持費用は外断熱に
       比べて割高になる。

 ○耐久性
         ・・コンクリートの劣化が進み30年くらいの耐久性で
 ○長期コスト  外断熱に比べて100年単位でみると解体・再建築で
           コスト高になる。

 ○結露・・外断熱のように切れ目なく建物を断熱材で覆っていない
       ので断熱がない部分から結露が起こり、カビ・ダニが
       発生する。









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快適建物 050111

NHK.TV『ためしてガッテン』で『手足の冷え対策』の特集があり有効
な対処方法が首のマフラーだと実証していました。血流のほぼ2割は
毛細血管で、残り8割が皮下1ミリの動脈と静脈を結ぶバイパスの様な
血管を通り静脈に流れます。バイパスは閉じやすく、開くスイッチが
ある所が寒さに敏感な『首』でした。温度分布を示すサーモグラフで
首にマフラーをすると手足の先まで暖かくなっていました。※1

韓流ブームの『冬のソナタ』の主役が室内でもマフラーをしたシーン
があったとか、マフラーをして食事をしていたとか、このドラマを
見ていない私はこの話題は寒さ防止だと思いました。?

秋田の角館の武家屋敷や商家で昔を再現した生活用品が展示した
建物を見学しました。壁に相撲取りが着るような大きな綿入れ丹前の
ような物が掛けられていて、冬に着込んで布団代わりに使うようです。

古来より『家の造りは、夏をむねとすべし。』冬は重ね着をしてでも
しのげるという意識でした。建物が次第に高気密になっていますが、
居室と廊下・便所等の温度差が大きくなれば、ヒートショックによる
動脈硬化・心筋梗塞を起こすこともあります。

温度のバリアフリー(by東京ガス)=1年中いつでも快適な温度を保ち
どこにいても温度差の少ない建物が健康に良い影響を与えます。体を
温めることが、椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・ガンの再発予防の養生法
にもなるようです。※2

鉄筋コンクリート造の外断熱工法の建物であれば、内部全体が暖かく
居室・廊下・脱衣所・便所等も温度差がなく、コンクリートの畜熱性を
利用するので暖房費も1/2程度まで低減できます。

※1 バイパスのような血管はAVA(arteriovenous anastomosis)
  日本語で動静脈吻合(ふんごう)と呼ばれます。冷えればAVAが
  閉じ、逆に温まれば開きます。
※2 日本人の死亡原因の1位のがんの人数が30年前の13万6千人
  から31万人に増えています。欧米型の食生活の変化もありますが
  日本人の平均体温が下がっています。3、40年前の大人の体温が
  36.7℃前後、現在はほとんどの人が35℃台で体温が1℃下がると
  免疫力が37%下がる研究もあり、「冷え」防止は万病克服の元です。
  (by石原結實博士)








対応建物

○ 住宅・集合住宅
  100年以上の耐久性と健康で安全な室内環境を実現できます。
  高耐久な躯体と結露・カビ・ダニの発生しない建物は長期にわた
  る資産価値を持ちます。

○ 病院
  内断熱では壁内結露や高湿化、カビ・ダニの発生によって患者や
  病院関係者への院内感染の危険があります。24時間空調を行な
  う建物として室環境を一定に保持してランニングコストを抑えること
  ができます。外断熱建物では室内の真菌(カビ)数が少ないという
  研究もされています。

○ 事務所ビル
  省エネルギーと快適労働環境が外断熱により実現します。

○ ホテル
  厳寒期のスウェーデンのホテルは、夜8時過ぎに暖房が止まり、
  翌朝6時頃暖房が入りますが、外断熱によって夜間の温度は
  1〜2度しか下がりません。

○ 倉庫・工場
  厳しい温湿度管理が必要とされる食品関係など、外断熱は省エネ
  で安定した環境を維持します。






工法比較





正確には外張断熱工法と呼ばれています。柱と柱の間
に断熱材をいれる充填工法と違って断熱材が分断され
ないので充填工法に比べて断熱性能があがります。
しっかりとした施工であれば結露する部分が木と隔離
されているので構造材の腐朽防止になります。
 
公庫の「次世代省エネ基準」に適応。
入念な施工をしないと結露・木材の腐朽が起ります。
外断熱材の厚さは50mm位が限度でEV外断熱工法の
厚さ125mmに対応するためには木造充填工法と外張
断熱材とを併用しなければ断熱性能が劣ります。充填
工法では結露が生じやすい。

RC造との大きな違いは畜熱材の有無です。コンクリート
は木材に対して4倍くらい畜熱量が多く室温を保持する
ので空調コストが少なくなります。





外壁仕上材としてサイディング・セメント成型版・ALC版
(軽量気泡コンクリート板)が多くそのまま外断熱工法に
するのは困難です。施工会社によってはALCを外断熱
と同等と説明していますが、グラスウール換算で10〜
20mm位の性能で目地や外壁塗装をこまめにしないと
劣化が早くなりやすい。

EV外断熱工法の建物で鉄骨造の住宅や事務所ビルも
実績があります。構造体を鉄骨で外壁をRC造壁にして
断熱材を外部に貼付け外装材で仕上げます。
またコンクリート壁は畜熱材の役目をします。

長所として大きな空間がとれて、柱・梁の構造体寸法が
RCに比べて小さくなります。
短所としては建物の各部が木造のように簡単に納らず
特に結露に対しての納まりに注意が必要です。
R

C

構造体が一体となり床・壁・屋根を断熱材で包むことで
コンクリートの膨張・収縮を抑え耐久性が増します。
コンクリートが畜熱することによってエネルギーコストが
低くなります。ベランダや外階段などヒートブリッジ(温度
差による影響)が生じないよう検討が必要です。
詳しくは当HPをご覧ください。


◎各工法比較

RC・・鉄筋コンクリート造、S造・・鉄骨造、W・・木造

○断熱性能・効果   RC・S(外断熱工法)>S・W

○耐久性        RC>S(外断熱工法)>S・W

○工期         RC・・・階数+2、3ヶ月
              S・・・通常の鉄骨造であれば短いが
                  外断熱工法では階数+1,2ヶ月
              W・・・3、4ヶ月内外

○工事費  RC・S>W  仕様や平面・立面の複雑さ、地盤状態に
 より一律に言えるものではありません。RC外断熱工法の場合は
 EV金物を使用し、サッシを断熱サッシにすることによって通常の
 RC建物より10〜25%UPします。イニシャルコストが上がりますが
 耐久性も伸びてエネルギーコストも下がり室環境も快適になります。

 内断熱建物で30〜40年で撤去・建替えをすると、倍以上の耐久性が
 ある外断熱建物ではコストを耐久時間で考えると決して高価格では
 ありません。










冷暖房 040212

      暖房日数  冷房日数
          日      日
札幌      194       0
東京      117      65
大阪      117      83
鹿児島      89      94

統計期間 1961〜1990年
日平均気温  暖房・・10℃以下  冷房・・24℃以上
by 日本気象協会 正木様

冷暖房を利用開始するのは個人差がありますが、地域によっても
異なります。

北海道の外断熱工法の集合住宅で、東京から転勤した人の暖房費は
0円だったそうです。北海道の人々は室温20℃以上の設定で、室内で
薄着で暮らすことが多いようです。北海道以外の地域で、外断熱以外
の旧来の住宅では厚着をして寒さをしのぐ生活様式です。

上述の東京の方は外断熱建物の室内は15℃位あり、無暖房で過ごせ
たようです。隣の住戸や上・下階の人々が暖房することによって、建物
全体のコンクリートが蓄熱し、暖房なしでも室温が15℃くらいになった
ようです。

冷房に関して、日数では鹿児島が最も多いですが、住宅の密集度が
低く、住宅間隔が離れ通風効果があり、冷房稼動日数は低いようです。
それに比して東京・大阪では密集した住宅で都市がヒートアイランド化
して、夜間も気温が下がらず窓を閉じて冷房する日数が多くなります。

内断熱工法コンクリート造の場合には、昼間に蓄熱されたコンクリートが
夜間に放熱し、熱さが継続して住み心地の悪い状態になります。

外断熱工法では、コンクリートが断熱材で覆われて日中の日射の影響
を受けず、冷房によるコンクリートの蓄冷で、夜間でもわずかな冷房でも
快適な環境になります。外断熱建物では、コンクリートの蓄熱が有効に
働くので、室温を維持できる程度の弱モードの空調費ですみます。










夏対応 031209

 『温暖地のRC造外断熱を考える』の標題で外断熱東京フォーラム
が開催されました。日本の外断熱建物は1973年頃に札幌で初めて
建設され、北海道から広がり現在関東で分譲・賃貸住宅が多く供給
されています。寒冷のスウェーデン・フィンランド・ドイツ等欧州では
新築は勿論ですが既存建物の外断熱改修も行われています。
グアム・サイパン・インドネシア・シンガポールの南方でも病院・軍事
施設の重要?建物に外断熱工法が一部で採用されているようです。

フォーラムでは日本独特の高温多湿の夏をいかに快適に過ごすこと
ができるのか検討・発表されました。外断熱建物の特徴として1日の
温度変化が少なく、熱容量の大きいコンクリート造床・壁からの輻射
によって、やわらかな室環境になり、ランニングコストも下がります。

デベロッパーから、分譲1年経過後の東京の共同住宅アンケートで
冬・夏は快適だったとの回答でしたが、今年は冷夏で外断熱工法の
効用かどうか明確でありません。

外断熱工法の賃貸共同住宅の設備設計を行った技術者によると
設備機器の容量を抑えることができるのではないか、夏季に対して
湿度の制御ができるシステムを併用すれば快適度が増す。

開口部の日射対策も重要です。断熱性能の高いガラスを使用して
日除けとして庇・オーニング(テント庇-可動製品有)・外部ルーバー・
スクリーン・落葉樹を適材適所に用いる必要があります。










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適正容量

ディベロッパーが外断熱マンション販売で、体感ルームとして内断熱
と外断熱工法でそれぞれ2m角の鉄筋コンクリートの体験ルームを作り
『違い』をアピールしていました。床・壁・屋根のコンクリート厚さ、
照明器具や空調機の容量等の条件を全て同じにして、断熱材の位置が
室内側か室外側かのみが違っていました。

体感ルームを夏の夜に赤外線写真で外観を撮ると、内断熱のほうが
外断熱に比べて温度が高く、コンクリートが昼間に蓄熱していること
がわかります。コンクリートが夜間に放熱して、室温が高くなるで
しょう。電気料金は意外に内断熱も外断熱も、ほぼ同じくらいでした。
これは空調機の容量が2帖用が無く、家庭用の最小機器でも大き過ぎて
適正な運転ができなかったためです。

大阪での次世代省エネ基準・30uの広さのリビングダイニング・内外
温度差22℃と仮定した場合の暖房負荷は、1.8kWくらいになります。
メーカーのエアコンカタログで30u用の能力をみると6.7〜7.1kWで
大きな差があります。このまま採用すると間欠運転ばかりで空調機の
効率が悪くなります。自動車で高排気量の車のほうが、高速運転時に
余裕の走行ができるでしょうが、空調機に関しては適正な容量を設置
しないと、エネルギーロスになります。

断熱性能の高い外断熱の建物はエアコンの適正容量も、内断熱に比べて
低くなります。外断熱であれば建物全体に温度差が無くなります。
家族構成の年齢・性別・体質で温度に対する個人差があるので、補助
するために少容量の機器を考慮することが必要でしょう。また長期間の
留守で、帰宅してからのエアコンの立上げで建物が一定温になるまで、
複数台を使用し、常時運転は分割して使用する方法もあります。









実施物件

○施工中物件
 (2004年) 特記なき限り新築工事
  東京都・・・下高井戸マンション  3階建
  東京都・・・リリーベル高円寺マンション  12階建
  江東区・・・豊洲外断熱マンション  9階建
  豊島区・・・リリーベル豊島園サーモス  7階建
  千代田区・・リリーベル麹町サーモス  10階建
  町田市・・・I 邸  3階建
  目黒区・・・3丁目外断熱マンション  11階建
  長岡市・・・K団地(M−2)号棟  3階建
  札幌市・・・城川マンション  3階建
  札幌市・・・武石邸  3階建
  札幌市・・・I 邸  3階建
  苫小牧市・・柏原塗研(株)苫小牧社宅断熱改修  3階建
  南富良野・・南富良野町コミュニティーセンター外壁改修  2階建
  
○完成物件
 (2004年)
  札幌市・・・いしやま病院  5階建
  札幌市・・・屯田大藤保育所  2階建
  札幌市・・・西町14マンション  3階建
  札幌市・・・天使大学8号館増築  4階建
  調布市・・・リリーベル国領サーモス  7階建
  品川区・・・リリーベル西大井サーモス  5階建
  江東区・・・平野山政マンション  11階建
  墨田区・・・本村ビル  5階建

 (2002年)
  札幌市・・・南陽堂書店
  札幌市・・・天使大学7号館
  調布市・・・田村マンション
  世田谷区・・多田邸
  苫小牧市・・岡部邸
  水戸市・・・立原マンション
  小樽市・・・高村内科医院
  つくば市・・山中邸蔵
  札幌市・・・土屋ファースト・ルネス円山
  中野区・・・濱田邸
     世田谷区・・宮本邸

 (2003年)
  墨田区・・・リリーベル両国北斎マンション
  札幌市・・・エレンシア南郷通マンション
  札幌市・・・廻谷邸
 
  東京都・・・リリーベル門前仲町マンション 11階建
         渋谷ビル 2階建
         外断熱マンション 4階建
  川崎市・・・賃貸マンション 4階建
  新下関・・・下関玉川マンション
  水戸市・・・樫村事務所兼住宅 3階建
  名古屋市・・賃貸マンション 3階建
  札幌市・・・・東区賃貸マンション A・B棟 3・4階建

○EV外断熱工法施工実績(施工壁面積)
  2000.3〜2001.2   5,040 u
  2001.3〜2002.2    5,426 u
  2002.3〜2003.2   9,000 u 見込み
  2003.2〜2004.2  20,000〜30,000 u 見込み

  




参考文献

040626
「あなたのマンションが廃墟になる日」
 山岡 淳一郎 著 (草思社) 定価1890円
「修繕で長く住みたい」という住民の希望をよそに、なぜか築後30
年で壊される集合住宅が増えている。建て替えを推進する強引な
住宅政策に翻弄されつつ膨大な数のマンション老巧化問題はどこに
向かうのか?


040302
○月刊経済紙財界展望」4月号(財界展望社)  飯村直也氏
「外断熱マンション台頭で囁かれる“新型不良債権”大量発生」
<耐久性の高い外断熱マンションが林立すれば、当然従来のマンシ
ョンの資産価値は下がる。すると今までにない不良債権が・・・・・。>



○月刊経済紙「財界展望」6月号(財界展望社)  飯村直也氏
 「日本のマンション99%が欧米では欠陥建築」

○週刊経済紙「日経ビジネス」(日経PB社) 5月中旬発売号
 「技術&イノベーション」コラム記事

○住宅コラム(毎日住宅情報サイト) 佐藤三紀雄氏
 「外断熱構造」 2002.2.21

○「日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク」
 (TBSブリタニカ)
 著者の江本央氏はEV外断熱工法の主宰者です。
 このHP以上に細部にわたって書いてあります。

○EV外断熱工法特集

   日経アーキテクチャー(日経BP社)
      2001.7.23号 P96より掲載

   建築施工単価(経済調査会)
      2001/夏号 前文P16より掲載


○週刊朝日02’8/16・23合併特大号
  P50 週刊ノンフィクション劇場(連作シリーズ)
○週刊朝日02’8/30号  P46 第2回
○週刊朝日02’9/6号  P50  第3回
○週刊朝日02’9/13号 P46 最終回
 山岡淳一郎氏
  「築30年」からの創造
  「外断熱工法」がマンションを変える

「外断熱は日本のマンションをどこまで変えるか」
山岡 淳一郎 著  (日本実業出版) 定価1500円

 

史上最大のミステーク本の写真

 2002.2.18 全国一斉発売
マンションの大解体時代が始まる!
「究極のわが家 100年マンションの誕生」

江本 央 著(東洋経済新報社) 定価 1600円+消費税
100年マンション





入居者の声 041101

東京の外断熱マンションに2003年より居住されているご家族の
HPです。   外断熱マンションで日本を変えよう






体験入居

札幌のセンティアム宮の森の一戸に2002.3月末まで体験宿泊できま
した。私も3月に御検討中のオーナー様と宿泊しました。まだ歩道に
残雪が残っていましたが、お互いの感想も、室内の暖かさがやわら
かくて洗面所・廊下など非居室も室温が均一で、窓の結露もなく、
道路からの騒音も受けず室内部の音も静かで、快適さを感じました。


2001.7.20に竣工した葛飾区のサンエービルド様社屋で見学
会催されました。初夏の外気温は35℃
見学者の感想
  ○夏も外断熱は快適なことがわかった。
  ○夏の断熱効果を体験できた。







賃貸住宅オーナー

賃貸住宅の経営環境は、少額訴訟制度(H10)定期借家法(H4)等
により、変化が起こっています。ハウスクリーニング代・敷金差引・
「現状回復」としてのクロス張替えなどの不足分を請求する慣習は
退けられています。

現在の預貯金の低金利・株の低迷・地価の下落の中で、今まで
どうりの不動産活用が変わる時です。土地で稼ぐのではなく、建物
を有効に活用する方策が必要です。地価上昇が少ない現在では
耐久性のある建物を計画的に修繕して資産性を守る時代です。

新借家法では、確定的に契約が終了でき、その期限も制約があり
ません。(1年未満や20年以上でも可) 特約で賃貸料の増減を
認めなくてもよく、長期契約で賃料一定型契約が可能です。確定
賃料によって収益が固定できます。その後の土地建物利用計画が
はっきりし、建物の売却やオーナー・チェンジもできます。

これからは高齢化住宅・少数世帯住宅が不足してきます。都心に
利便性の高い長耐久型住宅の需要が多くなります。構造は高耐久
躯体で、設備などの可変部分は容易に改修・取替ができるシステム
(=スケルトン・インフィル分離型住宅)で年数が経っても評価できる
ストック重視の建物を建てる必要があります。長耐久でエネルギー
コストを低く抑える、快適な住み心地の外断熱建物が最適です。
今までの土地依存から建物の性能重視に変換し、建物で収益を
上げ、売却したときの予定価を高める建物本位の仕様が求められ
ます。


 






スケルトン定借方式

H4年に施行された新借地借家法によって現在行なわれて
いる「一般定期借地権建物」のほとんどは契約期間後には
地主に更地引渡し(建物撤去)となっており、建物の取壊し
及び老朽化による再建築が増える恐れがあります。

これに対してスケルトン定借方式(建設省建築研究所開発)
は「建物譲渡特約付借地権」と「スケルトン方式」の合体で
地主・入居者共々有益なシステムです。

入居者が「借地権利金」を支払い、持家として建て、30年後
に建物を地主に譲渡します。その時に入居者が地主から
受取る建物譲渡金をそのまま地主に貸与し、その返済金と
家賃の一部を相殺します。(家賃相殺契約を結ぶ)

これにより入居者は低い家賃で老後まで安心して住み続け
ることができ、地主も建物買取の時に買取資金を準備する
必要がなく借地も解消できます。

メリット
○地主
 長期的に確定した土地活用ができる。
 定期借地権を設定することによって土地評価額が下がり
 相続税対策になる。
 契約途中の入居者からの建物の買戻しや建設借入金を
 することによって節税効果があります。
○入居者
 土地代は借地で安くなり、建築費はフリープランと長耐久
 仕様のため高くなりますがトータルでみると分譲建物より
 安くなります。
 家族構成の変化によるプランの変更が可能。
 契約中の建物の転売や30年後の建物譲渡金受取り後
 転居が可能。

デメリット
 地主にとって60年間土地が凍結される。
 コーポラティブ方式を採用すると時間がかかる。
 新しい方式で転売の建物評価が未定で、契約形態も多様
 になる。

SI(スケルトン・インフィル)
 スケルトン=建物の構造体・設備配管スペース
 インフィル=間仕切りや内装仕上
スケルトン部分はコンクリートの劣化を防ぎ躯体を長耐久に
する外断熱工法が資産価値を高めます。
インフィル部分はライフスタイルの変化に対応できます。又
快適な住環境を生む外断熱工法が最適です。








既存改修

既存の内断熱建物を外断熱仕様に改修することは可能です。
ただし鉄骨造の外壁仕上材には外断熱金物が保持できず
壁・屋根の畜熱性も低く性能発揮の改修は困難です。
これに対してRC造(鉄筋コンクリート)の建物であれば構造体
の耐久性も増し、結露も生じないでコンクリートの畜熱効果も
あり省エネになります。

敷地と建物の空きは内法(外壁仕上面と敷地境界の塀などの
内面)が足場や作業スペースとして90cmくらい必要です。EV
外断熱工法では壁面に断熱材を貼り通気層を設け外装材は
タイル・石・金属板等でデザインに対応できます。開口部も断
熱サッシや二重窓で断熱性能を高めます。コンクリートのベラ
ンダや屋上のパラペット(立上り)部分はヒートブリッジ(熱橋)の
原因になりますが既存建物の現況にあったディテールを検討
して対処します。

屋上も外断熱材で包み壁面も北面のみとか西面だけ外断熱
をするのは意味がなく建物全体を外断熱仕様にしないと効果
がありません。又外断熱に改修すると既存の内断熱材を外さ
ないとコンクリートが室温と同調しないで結露が発生します。
改修後の内装は内断熱材が無くなり、RC打放し(下地補修の
まま)であれば室内もわずかですが広くなります。

結露が生じない、住み心地のよい、空調費が下がる、耐久性
のある建物に改修できるのは外断熱工法です。







FAQ

Q1  HPの外断熱は鉄筋コンクリートになっています。木造の外断熱
もありますが違いはありますか。コンクリートより柱が小さく木造より
大きな部屋が取れる鉄骨造では無理ですか。

A1 山岡様のご指摘どうりEV外断熱工法はコンクリート造です。
外部から外装材、通気層、外断熱材、コンクリートになっています。
コンクリートが室内温の影響を受けて蓄熱し外断熱材で保持すること
によって空調費を軽減します。また結露は空気中に含まれる水蒸気
が冷やされて水に変化することで発生します。内断熱では室内のあ
たたかい空気に含まれている水蒸気が内断熱材を通過して温度の
低いコンクリート表面で冷やされ露点になり結露します。
外断熱のコンクリートは室温に同調しているので結露は生じません。
以上の観点でコンクリート造仕様になっています。

外断熱建物の事例で以前に建っている鉄骨造の建物もあります。
その場合も外壁はコンクリートで構成されています。

木造の場合は外張断熱という工法で一例として室内側に防湿フィル
ムを張り構造材の外側に断熱材、その上に防風シート(湿気を通す)
通気層、外装材を張る納まりがあります。上記のコンクリート造の
ように蓄熱層が無いので空調効率が低減します。木造は高温多湿
な夏を基準に考えられ、構造材の乾燥を考慮していましたが最近は
アルミサッシや断熱材で高気密・高断熱になり、充分な仕様で施工
しなければ、木材の腐朽や結露、カビ、ダニの原因になります。


Q2 外断熱の断熱材の厚さなど北海道などの寒冷地と現在地の
関西の違いを教えてください。

A2 地域区分で山崎様の関西地区はC地域(温暖地域)にあたり
ます。A地域(寒冷地域)は北海道、C地域は概略で千葉から愛知
の太平洋岸と滋賀以西、B地域(準寒冷地域)はA・C地域に挟ま
れた地域です。
断熱材の厚さ
 A地域  外壁-200mm 屋根-300mm 床-100mm
 B地域  外壁-150mm 屋根-300mm 床-100mm
 C地域  外壁-125mm 屋根-200mm 床-50mm
窓のガラスは単板+Loe-Eぺァーで二重サッシです。
換気についてはA・B地域では第一種(機械給・排気)で行なっていま
すが、C地域でも第一種が望ましいのですが第三種(機械排気)で
冷暖房を行なわない時期には風通しのよい窓の開閉による自然換気
を併用することもあります。


Q3 外断熱建物は健康住宅ですか。

A3 外断熱工法が健康住宅の全てではありません。
シックハウス、アトピー、ぜんそく、じんましんなど新築入居によって
発症する人が多くなりました。合板・集成材に含まれるホルムアル
デヒド、ビニールクロス、防腐剤、塗料の揮発性有機成分等建材
の選択に留意する必要があります。

アトピー性皮膚炎の方が相対湿度を高くして皮膚乾燥を軽減して
生活されています。冬季に湿度を上げることによって温度を下げる
という不快な環境で過ごさなければなりません。その点外断熱建物
であれば、冬に換気を行なうと乾燥状態(相対湿度30%位)になり
加湿器で相対湿度を60%に上げても結露が発生しません。
コンクリート内面もカビ発生域の湿度80%を越えずカビ・ダニも発生
しないのでダニの死骸や糞によるアレルゲンも減少します。
現在データを集積中ですが空中浮遊菌、真菌も減少の傾向があり
外断熱建物は快適な環境を保持することによって健康住宅の一端
を担っています。


Q4 外断熱工法にすることによってコストアップが大きいのでは

A4 外断熱建物は、部材として外断熱用EV金物の使用、断熱材の
厚さが通常の内断熱建物より厚くなる、熱交換換気システム(外気
取込空気を室温にして給気)が追加項目になり約1割コストが上がり
ます。温暖地で普通サッシ使用地域は断熱サッシに変更しますので
その差額が更にUPになります。サッシについては建物の断熱性能を
上げるためには少ないほうが良いのですが、冬の太陽光の取込み、
明るさや開放性を得るためにはある程度の大きさが必要です。
夏の直射には庇、シェード、すだれなどで対応し、設計時点で採光・
景観・通風等を考慮し大きさ・配置を決めます。

H13より家電リサイクル法が施行され、建物解体にも持主が届出が
必要になりました。登録業者の解体となり廃棄することにもコストが
かかります。資源的に30年程度で解体・建替えを繰返すより100年
耐久の外断熱は環境にやさしい建物です。
躯体(コンクリート構造体)を長耐久で造り、間仕切りや設備を自由に
レイアウトできるシステムであれば次々世代に対応した建物になり
ます。イニシャルコストは割高ですが、長い期間でみればランニング
コストや資源的にみても価値があります。






TV放映


○2002.1/20(日)テレビ東京系  ネット
 「家族で挑戦 エコライフ 地球を元気にする買い物作戦」
 EV外断熱工法が地球温暖化防止に貢献しています。
 放送時間
 1/30(水) 大阪(TVO) 16:00〜16:55
 2/2(土)  岐阜(GBS) 16:00〜16:55
        びわ湖    10:00〜10:55
 2/4(月)  新潟(NENY) 10:30〜11:25
   2/9(土)  九州(TVQ)  08:00〜08:55

○2002.2/2(土)日本TV系 10:30〜11:25
  「STOP温暖化!ドク小堺の地球防衛隊」(仮題)
 地球温暖化防止をテーマにした情報バラエティ
 EV外断熱工法のモデルハウスや竣工ビルを収録

○2002.3/14(木)TV朝日系  12:00〜13:00
  「ワイド/スクランブル」
 東京と札幌のEV外断熱マンションが紹介されます。


 





外国事情


フィンランドの建設工事現場を02’3/1に見学に行き
ました。フィンランドの建設労働者の勤務時間は冬
・夏時間にかかわらず7:00〜15:00で冬は暗い中で
ライトを付けて仕事をしています。

日本のように足場やシートで建物を囲まないで建物
から5mほど離れた所に独立クレーンで資材の搬入
をしていました。

工事中の建物は外断熱工法による集合住宅です。
2階以上の外壁はプレコン(工場製作コンクリート版)
で1階はタイル貼、屋根は水平のコンクリートスラブに
外断熱の上に木造下地の切妻屋根です。バルコニー
は建物本体のコンクリートとは一体ではなく、独立した
柱や袖壁で支持してヒートブリッジ(熱橋)が起こらない
ように配慮されています。

外壁











 外壁外断熱2階部分





ロックウール100+50mmの二重貼 外壁はプレコン
ベニヤ板部分は1階開口部で壁はタイル貼予定
右に見える黄色のラチスは独立タワークレーン



妻壁











 妻壁木造小屋組み





内装工事用の木材を5階窓から搬入しています
2〜4階の窓は工事中の寒さ除けでビニール貼です



バルコニー










 バルコニーは
 袖壁と丸柱で支持





建物本体と袖壁は一体ではなく建物側の外断熱材・
プレコン外壁仕上材を優先



看板











 入居者募集看板





工事現場道路側に賃貸入居者募集の看板



ホテル











  ホテル





宿泊した2階建のホテルで1階の窓は2m×1.2m位の
嵌め殺しガラスで3層で左右どちらかに0.3mの木製
の内開扉があり外部はガラリで防虫網(夏季の蚊除け)付
当ホテルの食堂部分屋上にはオーロラ観測できるよう
ベンチ・テーブルが置いてあります。
オーロラなどについては「休憩時間-ラップランド記」を
ご覧ください。





現況報告